日本聴導犬・介助犬訓練士学院開校の経緯と特徴

聴導犬・介助犬訓練士学院


目次



日本聴導犬・介助犬訓練士学院開校の経緯


1996年の(福)日本聴導犬協会創立以来、多い時には年間50名以上の「補助犬に関心のある方々」から研修や就職に関するお問合せをいただいておりました。残念ながら2009年まで、多くの方を受け入れる研修施設もなく、スタッフ自身も勉強しなくてはならない段階でしたので、どなたも受入れができずに全てお断りをせざるを得ませんでした。
 しかし2002年「身体障害者補助犬法」施行など補助犬業界の成熟過程において、訓練士への哲学やミッションなどを理解しながら、技能や実践を学べる機会の必要性を深く感じました。
本来、補助犬訓練士は障がいのある方のカウンセラー的な役割をしなくてはなりません。
補助犬先進国の英米で、補助犬育成団体の長に教育学をおさめた方が就任している例が多いのもそのためといえるでしょう。
 (福)日本聴導犬協会では、国際基準に達する補助犬訓練士養成を推進するために、訓練実務を学びながら「障害学、福祉学、医学、獣医学、経営、福祉サービス」という広い分野を学べるカリキュラムを創りました。講師には補助犬に理解を持たれる、各分野で日本を代表する専門家の方々のご協力をいただけております。深く、深く感謝申し上げております。

日本聴導犬・介助犬訓練士学院生の特徴


(1)日本聴導犬協会は日本初! ADI国際認定 聴導犬・介助犬育成団体です


日本聴導犬協会は、2006年に日本で初めて&日本で唯一(2015年現在) ADI(世界最大の身体障害者補助犬育成団体の総会)が実施する国際認定試験に合格した聴導犬・介助犬育成団体です。「健全な聴導犬・介助犬育成」のために、障がい者支援サービスを理解した「心のある」聴導犬・介助犬訓練士養成を目指しています。身体障害者補助犬育成団体としては、日本初のアカデミカルな「聴導犬・介助犬訓練士養成学院」を2009年2月に開校いたしました。

(2)補助犬業界に使命感をもった人材育成が急務


「補助犬育成」という障がい者支援サービスにおけるミッション(使命)を理解した上で、補助犬希望者が求めるサービス提供のできるプロフェッショナルな訓練士養成を目的としています。そのためには「聴覚や肢体に障害を持たれる方が求める補助犬」とは何かを、真に問える人材育成が急務です。

(3)障害学、福祉学など日本を代表する講師陣


国際基準をクリアする聴導犬・介助犬訓練と共に「障害学・福祉学・獣医療学・リハビリテーション学・育成に関る法学・経営戦略・福祉サービス」の分野で、日本を代表する講師から直に学べるカリキュラムを組んでいきます。幅広く、深い見識のある講師陣による充実の教育カリキュラムをたて、日本の補助犬業界に貢献できる人材育成を推進します。

(3)適性のある卒業生にはすべて、准訓練士資格授与とスタッフへの採用


「日本聴導犬・介助犬訓練士学院」の卒業生は、「ADI国際基準を満たす」(福)日本聴導犬協会から「准訓練士資格」が授与がされます。適性のある卒業生はスタッフへの採用をさせていただきます。これまでに6名を採用。

(4)障がい者支援と共に、動物福祉を学ぶ


(福)日本聴導犬協会は創設の1996年から、多種多様な「保護犬」から聴導犬・介助犬の育成を実現してきました。動物福祉や様々な犬種に関する訓練ノウハウが習得できます。特に、保護犬の社会化や問題行動の直し方など、家庭犬にも活用できる知識習得になります。

(5)国際基準を満たすカリキュラムと海外講師を招日


 副学院長の有馬もとが日本初のADI理事(2002~05年)に就任し、ADIの国際認定インストラクター資格を取得。国際的な経歴ゆえに、ADI加盟団体から世界的な外国人講師の招日や、関連補助犬育成団体や国内外の大学などでのインターナショナルな授業展開を行ってきました。2009年クレア・ゲスト(元英国聴導犬協会訓練マネージャー。英国キャンサー(癌)ドッグ協会理事長)招日。2013年台湾国立屏東科技大学獣医科学学部での有馬もと授業と研修など。