ケンタ君の聴導犬Q&A
日本聴導犬協会には常勤スタッフが少ないため、電話等でのQ&Aはご遠慮いただております。できるだけ資料リストから選んで、ご自分で調べていただきますようお願い申し上げます。
聴導犬育成のために、ご協力をお願いいたします。
聴導犬の起源は、1966年のアメリカにさかのぼるんだよ。当時16歳だったLinda Prichard(リンダ・プリチャード)が購入したジャーマン・シェパード Skippy(スキッピィ)は、何の訓練も受けていない生後4ヶ月くらいから、ドアベルや電話、嵐の最中に開けっ放しになっていた窓や扉のバウンドする音などを、Lindaに前足でタッチすることで教えたんだ。かしこいでしょ?このことから、Lindaの両親が訓練士に委託し、さらなる訓練をほどこした。1968年には、Skippyは、”Hearing-Ear Dog”として世界で初めて行政の認知を受け、盲導犬同様に公的補助(税の控除)を受けられるようになったんだ。この成功を知って、アメリカの福祉団体が「聴導犬」の試験的訓練を1970年頃から組織だった訓練を始めました。
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日本では、1981年(国際障害者年)から聴導犬の試行が始ったんだ。2002年の補助犬法施行前には、推計で40頭~50頭が訓練されたといわれています。でも、ボクたちの寿命は10年~15年だから、今(2016年3月現在)日本で働いているのは60頭前後(これまでに推計で150頭くらいが貸与)といわれています。少ないでしょ。
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アメリカの福祉団体が「聴導犬」の試験的訓練を1970年くらいから始め、これまでに、アメリカで約7000頭(推計)、英国では1800頭ちかくが育成されています。
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Q4.どんな犬種や性格の犬が聴導犬に向いていますか?
ボク(ケンタ)のように、人や犬にも攻撃性がなく、フレンドリーで、その上初めての場所でも冷静さ、また、その場その場での判断力も必要になります。
勿論、訓練能力も高くないといけません。
ボクは、大阪にあるARKという保護団体から来ました。
タカちゃんは、長野県の伊那保健所から。
みちみち君は、兵庫県にある動物愛護センターの淡路支所から譲渡して頂きました。
ほとんどの聴導犬は、元保護犬たちです。
図解:聴導犬育成~認定までの過程
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ソーシャライザー(ボランティアで子犬を育ててくれる家庭)のお宅では愛情いっぱいで育ててもらい、人間社会になれるための「マナー(社会化)」を勉強しました。生まれてから10か月から1年たって、訓練に向いているかどうかテストをして、初めて音の訓練に入れるんだ。でも、訓練時間は、1日長くて15分くらい。とっても短いでしょ? 犬の集中時間って短いんだ。犬を喜ばせる「ファン・トレーニング」なので、ゲーム感覚で楽しんでやります。そのほかに、歩行訓練やバスの乗車、レストラン等の練習もします。
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ソーシャライザーのお宅で「社会化」のお勉強をするのが生後10か月~1年くらいまでで、その後、訓練(4ヶ月~6ヶ月)にはいり、音の訓練(1日15分くらい)のほかにバスの乗車、お店に入る練習もします。ユーザーのお宅に行っても3ヶ月間は訓練期間になるので最低1年と8ヶ月間くらいは訓練期間と言うことになります。
図解:聴導犬育成~認定までの過程
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ユーザーさんに貸与するまでに必要な訓練費用は、100万円くらい。ユーザーさん宅に聴導犬を貸与した後のアフターケア、これは聴導犬の活動である10数年間は続けられるので、長野県内で80万~100万円くらいかかるんだ。全部でだいたい200万円かかるけど、寄付や補助金でまかなわれてるんだ。スタッフは給料は低い金額だけど、ユーザーさんには無料でお貸しし、無料でアフターケアを実施します。協会から距離が遠いと、アフターケア代はもっともっとかかることになりますが、ユーザーさんのための福祉として、毎年最低1~2回は訪問してご相談にのっています。
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ほとんどの引退聴導犬は、ユーザーさんのお家で生涯幸せに暮らします。
でも、年をとって働けなくなった仲間だけでなく、突然の事故や大病などの場合も協会でひきとって、一生面倒をみます。だから、ボクたちは安心できるんだ。ユーザーさんがどうしても「この子を手放したくない」と、希望した場合は、ユーザーさんの幸福を願う「福祉のひとつの形」としてそのお宅にペット犬として譲渡することもあります。
また、育成の途中で聴導犬よりも「家庭犬向き」と判断された子たちは、『新・家族』ボランティアさんのおうちで、家族の一員として暮らします。
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「聴導犬」は、ユーザーさんが出かけるどんな場所(仕事場やホテル、バスやデパートなど)にも一緒に行き、家以外の所でも警報機の音や、ドアのノックなども教えるのに対し、「聴力お手伝いペット犬」は、自分の家の中だけで音をしらせるペット犬です。犬とあちこち一緒に行動することが負担になる方もいるので、聴力お手伝いペット犬として訓練することになりました。法律で定められた聴導犬とちがって、バスや公共施設などには一緒に入れませんが、「人に危害を与えるような犬」や、外で人に吠えかかるような犬は、認められません。ご自身のペット犬でも訓練を受けられます(無料)。
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日本では、目の不自由な方は約34万人、耳の不自由な方は約35万人です。でも、聴導犬のユーザーさんになられるのはやっぱり「犬好き人」なんだよね。様々な調査で希望者は1万5千人とも3万人とも言われています。本当に聴導犬の訓練に入る方は限られてはいますが、聴導犬の仕事がみなさんに伝わるにしたがって、徐々にユーザー希望者は増えてきてます。うれしい。
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ボランティアは、いろいろあります。
(1)子犬の育て親(ソーシャライザー)
(2)新・家族(聴導犬に選ばれなかった子の里親)
(3)募金活動や募金箱を設置してくださるお店の紹介
(4)子供ボランティアや、「誰でもできる聴導犬のおうえん活動」などもあります。
(5)施設内ボランティア
長野県にある日本聴導犬協会に来ていただいて、資料作りや協会犬の散歩などして頂きたいです。
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協会では、候補となる子犬の社会化に、協会では1年以上かけてます。その方法はとても独特で、一般のご家庭で行っているしつけでは足りないんです。ご希望の方の愛犬の適性をチェックをさせていただきますが、ご自身の犬を訓練することはほとんどないんだよ。すみません。でも、Q8の「聴力お手伝いペット犬」の訓練なら、ペット犬のお手伝い犬としての訓練は無料で受けられます。
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社会福祉法人日本聴導犬協会は、英国聴導犬協会の指導を受けています。訓練士3人とも、英国で研修し、英国の協会から認定をもらっています。特に、会長の有馬さんは英国聴導犬協会から訓練士(インストラクター)の最高レベルをいただきました。日本で初めて(2006年)、会長の有馬さんがADI(アシスタンス・ドッグ・インターナショナル)から聴導犬・介助犬インストラクターの資格を授与されました。ADIから有馬さんは、聴導犬・介助犬訓練士の授業や資格の授与を許可されています。そのことから、2009年2月から、日本で初めて聴導犬と介助犬の訓練士を専門に教育する学校を開校し、訓練士の養成にも力を入れています。
日本聴導犬・介助犬訓練士学院について
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米国や英国には、2つ以上の障害をもたれる方のために「マルチプル・アシスタンス・ドッグ(多目的補助犬)」が活躍しています。たとえば、盲導犬と介助犬の働きをする補助犬や、聴導犬と介助犬の働きをする犬もいるんです。(福)日本聴導犬協会では、聴覚と肢体に障がいをもたれる女性のために、日本で初めて「多目的補助犬」として訓練しました。
しろ君は生活で必要な音もしっかりと教えますが、それと同時に、落とした物を拾ったりします。たとえば、速達が来たら、郵便屋さんの押したドアベルを教え、ユーザーさんをドアまで導き、郵便屋さんが差し出した速達を受け取ってユーザーさんに渡すといったこともします。ただ、日本聴導犬協会の訓練犬は、聴導犬向きのワンちゃんなので、10kg台の犬がほとんどです。小さい体で車いすをひっぱるのは負担が大きすぎるので、電動の車いすを使っていたり、車いすを犬にひかせる必要のないとおっしゃるユーザーさんに限って、貸与されます。
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盲導犬や介助犬は「ユーザーの命令を最優先して働く犬」といわれています。しかし、聴導犬のユーザーさんとなる方は耳が不自由なので、「今、音が鳴っているから私に教えなさい」とは命令できないでしょ?聴導犬は、犬自体が自分で音を聞き分け、ユーザーさんに必要な音とボクたちが判断したときに、教えるように訓練されています。訓練犬たちが「自分で判断する」能力を生かすように訓練されています。
ほじょ犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)とは
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協会には「にゃん太君」というスタッフ猫がいて、いつも犬たちと仲良くしています。ボクもにゃん太君が大好きです。なので、協会の訓練犬たちで猫をいじめたり、かみついたりする犬はいません。ユーザーさんのお宅で、初めのうちは猫ちゃんのほうが犬を受け入れなくて「フーフー」って怒ったりするでしょうが、そのうちに仲良くなれるので、猫を飼っているユーザーさんも聴導犬と一緒に生活できます。
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音をきちんと教えることも大事ですが、それと同じくらい、いろいろな場所で自信を持っていられることが必要です。デパートとかで万が一火事になったとしても、落ち着いてユーザーさんに警報機の音を危険と教え、一緒に避難するためには、どんな状況でもボクたちは平常心でいられなくてはならないのです。なので、訓練士と一緒にあちこちに行ったり、電車に乗ったり、いろんな場所に行くのに慣れる訓練も大事なんだよ。それとね、訓練士やユーザーさんからほめてもらえる訓練で「ボクはやればできる」って犬自体に自信をつけてもらうことも大切なんだ。
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耳の不自由な方のおうちで聴導犬は暮らすことになるので、吠えても飼主さんが注意することはできません。なので、むやみにやかましく吠えるような犬は、聴導犬にはなれません。不審な人が家の敷地内に入ってきたら、ユーザーさんにタッチしてしらせますが、番犬のように吠えて追い返すといったことはしません。
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聴導犬育成のために、ご協力をお願いいたします。
- 聴導犬の歴史は?
- 聴導犬は日本で何頭くらい働いていますか?
- 海外では聴導犬は何頭くらい働いていますか?
- どんな犬種や性格の犬が聴導犬に向いていますか?また、聴導犬はどこからつれてこられるんですか?
- どのような訓練をしているのですか?
- 何年くらいで立派な聴導犬になりますか?
- 聴導犬育成の費用はどれくらい?また、運営や育成資金はどのようにしているのですか?
- 聴導犬の仕事ができなくなった犬や、聴導犬にならなかった犬は、どうなるのですか?
- 「聴力お手伝いペット犬」って、何ですか?
- 聴導犬を必要としている人は、どのくらいいるのですか?
- 聴導犬普及のためにお手伝いできることはありますか?
- 自分の飼っている犬を、訓練してもらえますか?
- 聴導犬の訓練士になりたいのですが、資格等はありますか?
- もしも、耳が不自由で体も不自由な方からの、聴導犬の依頼があったらどうするんですか?「多目的補助犬」って何?
- 盲導犬や介助犬と聴導犬は違うんですか?
- 猫を飼っている人は、聴導犬のユーザーになれないんですか?
- 聴導犬の訓練で一番大切なことって、なんですか?
- 聴導犬は番犬になりますか?
Q1.聴導犬の歴史は?
聴導犬の起源は、1966年のアメリカにさかのぼるんだよ。当時16歳だったLinda Prichard(リンダ・プリチャード)が購入したジャーマン・シェパード Skippy(スキッピィ)は、何の訓練も受けていない生後4ヶ月くらいから、ドアベルや電話、嵐の最中に開けっ放しになっていた窓や扉のバウンドする音などを、Lindaに前足でタッチすることで教えたんだ。かしこいでしょ?このことから、Lindaの両親が訓練士に委託し、さらなる訓練をほどこした。1968年には、Skippyは、”Hearing-Ear Dog”として世界で初めて行政の認知を受け、盲導犬同様に公的補助(税の控除)を受けられるようになったんだ。この成功を知って、アメリカの福祉団体が「聴導犬」の試験的訓練を1970年頃から組織だった訓練を始めました。
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Q2.聴導犬は日本で何頭くらい働いていますか?
日本では、1981年(国際障害者年)から聴導犬の試行が始ったんだ。2002年の補助犬法施行前には、推計で40頭~50頭が訓練されたといわれています。でも、ボクたちの寿命は10年~15年だから、今(2016年3月現在)日本で働いているのは60頭前後(これまでに推計で150頭くらいが貸与)といわれています。少ないでしょ。
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Q3.海外では聴導犬は何頭くらい働いていますか?
アメリカの福祉団体が「聴導犬」の試験的訓練を1970年くらいから始め、これまでに、アメリカで約7000頭(推計)、英国では1800頭ちかくが育成されています。
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Q4.どんな犬種や性格の犬が聴導犬に向いていますか?
聴導犬はどこからつれてこられるんですか?
ボク(ケンタ)のように、人や犬にも攻撃性がなく、フレンドリーで、その上初めての場所でも冷静さ、また、その場その場での判断力も必要になります。
勿論、訓練能力も高くないといけません。
ボクは、大阪にあるARKという保護団体から来ました。
タカちゃんは、長野県の伊那保健所から。
みちみち君は、兵庫県にある動物愛護センターの淡路支所から譲渡して頂きました。
ほとんどの聴導犬は、元保護犬たちです。
図解:聴導犬育成~認定までの過程
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Q5.どのような訓練をしているのですか?
ソーシャライザー(ボランティアで子犬を育ててくれる家庭)のお宅では愛情いっぱいで育ててもらい、人間社会になれるための「マナー(社会化)」を勉強しました。生まれてから10か月から1年たって、訓練に向いているかどうかテストをして、初めて音の訓練に入れるんだ。でも、訓練時間は、1日長くて15分くらい。とっても短いでしょ? 犬の集中時間って短いんだ。犬を喜ばせる「ファン・トレーニング」なので、ゲーム感覚で楽しんでやります。そのほかに、歩行訓練やバスの乗車、レストラン等の練習もします。
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Q6.何年くらいで立派な聴導犬になりますか?
ソーシャライザーのお宅で「社会化」のお勉強をするのが生後10か月~1年くらいまでで、その後、訓練(4ヶ月~6ヶ月)にはいり、音の訓練(1日15分くらい)のほかにバスの乗車、お店に入る練習もします。ユーザーのお宅に行っても3ヶ月間は訓練期間になるので最低1年と8ヶ月間くらいは訓練期間と言うことになります。
図解:聴導犬育成~認定までの過程
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Q7.聴導犬育成の費用はどれくらい?また、運営や育成資金はどのようにしているのですか?
ユーザーさんに貸与するまでに必要な訓練費用は、100万円くらい。ユーザーさん宅に聴導犬を貸与した後のアフターケア、これは聴導犬の活動である10数年間は続けられるので、長野県内で80万~100万円くらいかかるんだ。全部でだいたい200万円かかるけど、寄付や補助金でまかなわれてるんだ。スタッフは給料は低い金額だけど、ユーザーさんには無料でお貸しし、無料でアフターケアを実施します。協会から距離が遠いと、アフターケア代はもっともっとかかることになりますが、ユーザーさんのための福祉として、毎年最低1~2回は訪問してご相談にのっています。
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Q8.聴導犬の仕事ができなくなった犬は、どうなるのですか?
ほとんどの引退聴導犬は、ユーザーさんのお家で生涯幸せに暮らします。
でも、年をとって働けなくなった仲間だけでなく、突然の事故や大病などの場合も協会でひきとって、一生面倒をみます。だから、ボクたちは安心できるんだ。ユーザーさんがどうしても「この子を手放したくない」と、希望した場合は、ユーザーさんの幸福を願う「福祉のひとつの形」としてそのお宅にペット犬として譲渡することもあります。
また、育成の途中で聴導犬よりも「家庭犬向き」と判断された子たちは、『新・家族』ボランティアさんのおうちで、家族の一員として暮らします。
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Q9.「聴力お手伝いペット犬」って、何ですか?
「聴導犬」は、ユーザーさんが出かけるどんな場所(仕事場やホテル、バスやデパートなど)にも一緒に行き、家以外の所でも警報機の音や、ドアのノックなども教えるのに対し、「聴力お手伝いペット犬」は、自分の家の中だけで音をしらせるペット犬です。犬とあちこち一緒に行動することが負担になる方もいるので、聴力お手伝いペット犬として訓練することになりました。法律で定められた聴導犬とちがって、バスや公共施設などには一緒に入れませんが、「人に危害を与えるような犬」や、外で人に吠えかかるような犬は、認められません。ご自身のペット犬でも訓練を受けられます(無料)。
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Q10.聴導犬を必要としている人は、どのくらいいるのですか?
日本では、目の不自由な方は約34万人、耳の不自由な方は約35万人です。でも、聴導犬のユーザーさんになられるのはやっぱり「犬好き人」なんだよね。様々な調査で希望者は1万5千人とも3万人とも言われています。本当に聴導犬の訓練に入る方は限られてはいますが、聴導犬の仕事がみなさんに伝わるにしたがって、徐々にユーザー希望者は増えてきてます。うれしい。
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Q11.聴導犬普及のためにお手伝いできることはありますか?
ボランティアは、いろいろあります。
(1)子犬の育て親(ソーシャライザー)
(2)新・家族(聴導犬に選ばれなかった子の里親)
(3)募金活動や募金箱を設置してくださるお店の紹介
(4)子供ボランティアや、「誰でもできる聴導犬のおうえん活動」などもあります。
(5)施設内ボランティア
長野県にある日本聴導犬協会に来ていただいて、資料作りや協会犬の散歩などして頂きたいです。
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Q12.自分の飼っている犬を、訓練してもらえますか?
協会では、候補となる子犬の社会化に、協会では1年以上かけてます。その方法はとても独特で、一般のご家庭で行っているしつけでは足りないんです。ご希望の方の愛犬の適性をチェックをさせていただきますが、ご自身の犬を訓練することはほとんどないんだよ。すみません。でも、Q8の「聴力お手伝いペット犬」の訓練なら、ペット犬のお手伝い犬としての訓練は無料で受けられます。
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Q13.聴導犬の訓練士になりたいのですが、資格等はありますか?
社会福祉法人日本聴導犬協会は、英国聴導犬協会の指導を受けています。訓練士3人とも、英国で研修し、英国の協会から認定をもらっています。特に、会長の有馬さんは英国聴導犬協会から訓練士(インストラクター)の最高レベルをいただきました。日本で初めて(2006年)、会長の有馬さんがADI(アシスタンス・ドッグ・インターナショナル)から聴導犬・介助犬インストラクターの資格を授与されました。ADIから有馬さんは、聴導犬・介助犬訓練士の授業や資格の授与を許可されています。そのことから、2009年2月から、日本で初めて聴導犬と介助犬の訓練士を専門に教育する学校を開校し、訓練士の養成にも力を入れています。
日本聴導犬・介助犬訓練士学院について
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Q14.もしも、耳が不自由で体も不自由な方からの、聴導犬の依頼があったらどうするんですか?「多目的補助犬」って何?
米国や英国には、2つ以上の障害をもたれる方のために「マルチプル・アシスタンス・ドッグ(多目的補助犬)」が活躍しています。たとえば、盲導犬と介助犬の働きをする補助犬や、聴導犬と介助犬の働きをする犬もいるんです。(福)日本聴導犬協会では、聴覚と肢体に障がいをもたれる女性のために、日本で初めて「多目的補助犬」として訓練しました。
しろ君は生活で必要な音もしっかりと教えますが、それと同時に、落とした物を拾ったりします。たとえば、速達が来たら、郵便屋さんの押したドアベルを教え、ユーザーさんをドアまで導き、郵便屋さんが差し出した速達を受け取ってユーザーさんに渡すといったこともします。ただ、日本聴導犬協会の訓練犬は、聴導犬向きのワンちゃんなので、10kg台の犬がほとんどです。小さい体で車いすをひっぱるのは負担が大きすぎるので、電動の車いすを使っていたり、車いすを犬にひかせる必要のないとおっしゃるユーザーさんに限って、貸与されます。
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Q15.盲導犬や介助犬と聴導犬は違うんですか?
盲導犬や介助犬は「ユーザーの命令を最優先して働く犬」といわれています。しかし、聴導犬のユーザーさんとなる方は耳が不自由なので、「今、音が鳴っているから私に教えなさい」とは命令できないでしょ?聴導犬は、犬自体が自分で音を聞き分け、ユーザーさんに必要な音とボクたちが判断したときに、教えるように訓練されています。訓練犬たちが「自分で判断する」能力を生かすように訓練されています。
ほじょ犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)とは
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Q16.猫を飼っている人は、聴導犬のユーザーになれないんですか?
協会には「にゃん太君」というスタッフ猫がいて、いつも犬たちと仲良くしています。ボクもにゃん太君が大好きです。なので、協会の訓練犬たちで猫をいじめたり、かみついたりする犬はいません。ユーザーさんのお宅で、初めのうちは猫ちゃんのほうが犬を受け入れなくて「フーフー」って怒ったりするでしょうが、そのうちに仲良くなれるので、猫を飼っているユーザーさんも聴導犬と一緒に生活できます。
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Q17.聴導犬の訓練で一番大切なことって、なんですか?
音をきちんと教えることも大事ですが、それと同じくらい、いろいろな場所で自信を持っていられることが必要です。デパートとかで万が一火事になったとしても、落ち着いてユーザーさんに警報機の音を危険と教え、一緒に避難するためには、どんな状況でもボクたちは平常心でいられなくてはならないのです。なので、訓練士と一緒にあちこちに行ったり、電車に乗ったり、いろんな場所に行くのに慣れる訓練も大事なんだよ。それとね、訓練士やユーザーさんからほめてもらえる訓練で「ボクはやればできる」って犬自体に自信をつけてもらうことも大切なんだ。
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Q18.聴導犬は番犬になりますか?
耳の不自由な方のおうちで聴導犬は暮らすことになるので、吠えても飼主さんが注意することはできません。なので、むやみにやかましく吠えるような犬は、聴導犬にはなれません。不審な人が家の敷地内に入ってきたら、ユーザーさんにタッチしてしらせますが、番犬のように吠えて追い返すといったことはしません。
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